ちのっぷすの海外ドラマ雑記帳

ちのっぷすが観てきた海外ドラマについて想うことあれこれ

高慢と偏見

 ジェイン・オースチティン原作の映画

武雄図書館で借りた本「人間を究める」の中で英文学者廣野由美子先生がイギリス文学、特にジェイン・オースティンについて述べておられるのを読み、

(これについては宜しければ読書覚書 https://dokusyozanmai22.hateblo.jp/を覗いてみてください)

「ふむふむ、ちょっくら読んでみるか、でもその前に映画でざっとあらすじ確認

というわけで選んだのがまず、キーラ・ナイトレイ版。

タイトルは プライドと偏見 となっていますね。 

プライドと偏見 (字幕版)

プライドと偏見 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 


Pride & Prejudice Official Trailer #1 - Keira Knightley Movie (2005) HD

キーラ・ナイトレイというと つぐない や 危険なメソッド の印象が強く、妖艶なイメージ。

美人ではあるのだろうけれど、あまりにも目鼻立ちがハッキリしすぎていて、好みのタイプではありませんでした。

ところが、この プライドと偏見 の中の彼女は、とてもキュートでチャーミング。つぐないの時より2歳程若いので、その分初々しく清楚。たちまち虜になりました。

長女役はロザムンド・パイク。これまではその知的な雰囲気(実際にかなり知性的な女優さんのようです)が、なんとなく真野響子・真野あずさ姉妹に似ているような気がしていたので、今回も「どことなく似てるよなぁ」とは思いつつ、役柄的には知性は感じられない、お人よしでおっとりした美女。

映画なので原作とは違った設定もあるだろうと、今度は1940年制作のグリア・ガーソンローレンス・オリヴィエ版の 高慢と偏見 を観てみました。


Pride & Prejudice (1940) - First Proposal

どちらの映画も主人公 エリザベス は魅力的な性格(主人公なんだから当たり前か)で、若草物語の次女ジョーにも似たキャラクターでした。(長女が姉妹で一番美人という設定も)

あの当時、上流階級の人にああいう口のききかたができたのかなぁと思わないでもありませんでしたが、物怖じすることなく、小気味よいほど機知に富んだ切り返し。生意気さもまた魅力なのでしょう。

父や母、姉妹たちのキャラクターも、新・旧版ともに概ね同じようなタイプでしたが、父親に関してはグリア版は影が薄く、キーラ版の方が味があったなと軍配があがります。

とあるシーンでのぐっときたセリフはどちらの映画も同じでしたから、ここは原作通りで、外せないところだったのでしょう。

Your mother will never see you again if you do not marry Mr Collins and I will never see you again if you do.

エリザベスが父の従弟コリンズの求婚を断った後、母は「結婚しないなら縁を切る!」とまくしたてるのですが、それを聞いた父がエリザベスの肩を持つのですね。

「さすが、お父さん!」とエリザベスならずとも首根っこに飛びつきたくなりました。

U-NEXTでは英語の字幕にならないので、You Tube から audio book を探し、上記英文はそこから拝借しています。


Learn English Through Story~Level 3~Pride and Prejudice~English story with subtitles

映画の字幕ではなく、原作のretold版でLevel3なので平易な単語に言い換えてあるかもしれませんね。(フルバージョンもありましたが、そちらは11時間程度かかり、倍速でも半日なのでギブアップ)

そうそう肝心のもう一人の主人公ダーシー卿については・・・

エリザベスの最初の印象通り「よくわからん男」。外見が高慢そうに見えるのはグリア版ローレンス・オリヴィエ

それから、なぜダーシーが親友ビングリージェーンの結婚に反対しのか、その理由について「そりゃ、もっともだ」と納得できる形で表現されていたのもグリア版

そうそう、ダーシーの伯母で高慢の権化のようなキャロライン婦人が、最後にひと肌脱いでくれ、「やるね、おばさん!」とスッとしたのもグリア版でした。

どちらが原作に近いのかは・・・やはり読んでみないとわからない・・・

胡散臭い将校ウィッカムと駆け落ちした末娘を《無事》結婚させてやることに尽力したのがダーシーだということがわかり、結果的に姉妹3人の恋は成就、メデタシ・メデタシ・・・なんですが、

金を渡して結婚させても、賭け事好きで身持ちも悪そうな男と一緒になったところで、幸せになんてなれっこないけどなぁ~~。

時代が時代とはいえ、娘の真の幸福より世間体なんでしょうかねぇ~~。主人公ではないから、その辺は突っこんでいないというか、描き方が甘い。(末娘を主役にした映画は絶対に成り立ちませんね)

余談ですが、キーラ版ダーシーの妹役は、たぶんThe Tudersでヘンリー8世の5番目の妻役だったタムジン・マーチャントだと思います。

こんな風に「あ、あの時のあの!」って発見するのも楽しいですね。

気になった俳優の作品は次々と観たくなります。

倍速で観るなんて邪道なことはしないで、ゆっくり鑑賞したいところですが、なんやかやとやりたいことが多すぎて(でも優先順位がつけられず、どれも手つかずで・・・時間ばかりが過ぎていく)常に焦っているというか、落ち着きのない毎日・・・