子役の演技に釘付け②
実はひと月程前に、書きかけて下書きに入れたままほったらかしにしていたのですが・・・朝日新聞の『読書』ページ下の広告を見て、続きを書く気になりました。
広告には1991年に出版された、新井素子の「くますけといっしょに」が載っていたのです。
新井素子さんは、同世代のSF、ライトノベル作家。若い頃からそのお名前は知っていましたが、小説を読んだことはありません。(でも、なんだか読んでみたくなりました)
おっと、これは《読書覚書》ではなく《海外ドラマ雑記帳》でした。
ですが、「クマのぬいぐるみ」が共通アイテム。
以下ネタバレ含む粗筋、感想です。
悪夢に悩まされていた絵本作家ジェス(ディワンダ・ワイズ)が、環境を変えようと、夫と二人の継子とともに自身の生家に引っ越したことから物語は始まります。
生家に戻ったことで、ジェスは記憶の底に封印されていた過去と対峙することに・・・。
悪夢が収まったことに安堵していたジェス夫妻。
夫のマックス(トム・ペイン)は、夫としても父親としても、愛情深く、思いやりのある理想的な男性ですが、物語の序盤で「ツアー」に行く(職業はミュージシャン?)ため、家を空けるので、出演シーンがあまりなく、影が薄い存在です。
物語は、ほぼ、ジェスと継子2人の3人だけで展開していきます。(ワケ知りらしい隣人の老女や、カウンセラー、子どもたちの実母、ジェスの父(精神科に入院中)も重要な役どころではありますが)
次女アリス(パイパー・ブラウン)は、ジェスにそこそこなついているけれど、長女テイラー(テイケン・バーンズ)は思春期で、継母を快く思っておらず、何かと反抗的。
アリスが地下室で見つけたクマのぬいぐるみに「チョンシー」と名付けて可愛がり始めると、次々に不可解で、不気味な現象が3人に降りかかります。
チョンシーは、実はアリスとジェスにしか見えない想像上のぬいぐるみであることも途中で明かされ、アリスにとって、そして過去のジェスにとって、ただのぬいぐるみではなく「たったひとりのともだち」だということも。
それでも、男親不在の状況下でジェスとテイラーはアリスを守ろうと必死になり、協力して様々な危機を乗り越えるうち、二人の間には互いを信頼する気持ちが強まり「絆」も芽生え始めます。
終盤、ジェスの父を見舞った病室には、夫マックスもおり、子どもたちと5人、穏やかで和やかなシーンが流れ、ああ、よかったと安堵するのですが・・・
メデタシ、メデタシかと思いきや、ここでもうひとひねり、再び恐怖に陥れられます。
これまでの話でも十分に、ジェスの並外れた想像力と、悲しい生い立ちが「クマのぬいぐるみ」を生んだことは分かっているのですから、正直、ここは余計だったんじゃないかな、と思います。(アリスは囮で、本当の狙いはジェスだったということを強調したかったのだでしょうけれど)
メデタシ、メデタシで終わりつつも、「クマのぬいぐるみ」は虎視眈々と次の獲物を狙っているというシーンだけで、充分だったのでは?
その方がより一層不気味というか、余韻を残したと思うのです。
ジェス一家はこれで一件落着したけれど、「心に傷を負った寂しい子ども」がいる限り、「クマのぬいぐるみ」(イマジナリーフレンズ)は不滅なのだ、と。
それはともかく、二人の子役の演技に今回もメロメロ。
特に長女テイラー役のテイケン・バーンズは「子役」というより、これからが楽しみな「女優」さんだと思いました。

