ちのっぷすの海外ドラマ雑記帳

ちのっぷすが観てきた海外ドラマについて想うことあれこれ

This is us~36歳 これから

36歳は中年?

アマゾンプライムビデオのおススメをずっと無視していたのに、突然見る気になったのは、マンディ・ムーアが出演していたから、というのは前にちらっと書いた通りです。

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で、ハマって、1日3,4話ペースでシーズン6の最終話までぶっ通し見たのでありました。

ですので、見終わったのは結構前なんですが、感想をアップできなかったのは、なんだか色々と考えさせられることがあって、いつものように気楽に言いたい放題、書きたい放題ができなかった・・・のです。

(特にレベッカがアルツハイマーを発症したことが、ちょっと身につまされて・・・←あとでゆっくり書きたいと思ってます。)

ここでCopilotに簡単にあらすじを書いてもらいましょう。

『This Is Us』は、アメリカの感動的なヒューマンドラマで、両親のジャックとレベッカ、そして3人の子供たち、ケヴィン、ケイト、ランダルの人生を描いています1。物語はそれぞれの36歳の誕生日から始まり、過去と現在、未来を交差させながら展開されます。

ジャックとレベッカは3つ子を授かりますが、3人目は死産してしまいます。そこでたまたま捨て子だった黒人の男の子を養子にすることを決意します。物語はジャックとレベッカの過去と、3人の子供たちが36歳になった現在を行き来しながら、家族の絆や葛藤を描いています。

詳細情報

で、見出しの「36歳は中年?」ってこれはまず、ちょっと違和感あったんですよね。

ドラマの紹介に「36歳の三つ子がそれぞれ、中年の危機に云々」とあったのが腑に落ちなかったのです。

自身が還暦すぎているから、というのもあるとはいえ、現代の感覚では「30代はまだまだ青年」なんじゃないかと。

でも、ここでハタ!と気が付いたこともありました。

これはアメリカのドラマなんだから、と。

で、「あること」を調べてみました。

「あること」とは日米の、平均年齢および平均寿命の違いです。

まず、アメリカ人の平均年齢(2021年の統計)は38.2歳(男性36.9歳、女性39.5歳)

平均寿命は77.3歳(男性74.5歳、女性80.2歳)

なるほど!確かにこの数値からすると、アメリカの36歳は「中年」に位置しますね。

対して日本はというと、2023年の統計になりますが、48.4歳だそうです。

平均寿命は、84.1歳(男性81.09歳、女性87.14歳)

アメリカとは実に平均年齢で10歳平均寿命で7歳の差があります。

これではアメリカ人と日本人の「中年」の感覚がズレているのは当然ですよね。

あ~スッキリした~(って一人で騒いで一人で納得してますね、すみません)

 

内容に戻ると、シーズン1が36歳から始まり、毎年1歳ずつ年をとり、シーズン6では41歳に。

過去現在の行き来は、わかるのですが、未来はちょっと無理があったような気はします。

盲目のミュージシャンが出てきたとき「ケイトの(未熟児網膜症で生まれた)息子に違いない!」とすぐにわかったのだけれど、20年後の世界にはとても見えなかったのです。

ダイナ―しかり(日本で言えば昭和レトロっぽい店なのだと説明がつかないこともないけれど)、音楽環境しかり。 交通や情報の伝達手段(スマホのような)が今のような形で存在しているとも思えない。

ま、ヤボな突っ込みはおいといて・・・Copilotクンの言葉(ドラコレの受け売りのようですが)を借りて一言で言えば「感動的なヒューマンドラマ」でした。

断じて「コメディ」ではありませんでしたよ。

人種差別、ベトナム戦争PTSD、摂食障害、アルコールやドラッグの依存症、LGBTや、養子縁組制度等々・・・4世代の物語とはいえ、ちょっと盛沢山な気はしました。

アメリカの抱えるありとあらゆる問題を盛り込んだ感じ・・・

 

キャラクターの中では、父親のジャック(マイロ・ヴィンティミリア)が一番好きでした。

特にシーズン2で、George HarrisonBe Here Nowが流れた時のシーン、あまりにもマッチし過ぎて(そういえばジョージに、というより息子のダーニに風貌が似ていますね)思わず熱いものがこみあげてきました。


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レベッカも好きだけれど、《ウォーク・ トゥ・リメンバー》の健気で可愛らしいイメージが強すぎて、時に「強引なおばさん」に感じるときがあり、ちょっと減点。

ですが、アルツハイマー発症後のレベッカは、凛としてとても素敵で、また大好きになりました。(老けメイク、違和感なく似合っていて、びっくり!)

ジャックの親友で、のちにレベッカの二番目の夫となるミゲル、ランダルの実父ウイリアムやランダルの妻べスとその娘たち、ケイトの最初の夫トビー、ジャックの弟ニック、それからレベッカの子どもたちをとりあげたドクター(人柄も素晴らしい)もそれぞれに味があって、好きなキャラクターでした。

ウイリアム役のロン・セファス・ジョーンズは2023年に66歳で亡くなっています)

と、まぁ主役二人と脇を固めるレギュラー陣は概ね好きだったのですが、肝心の「三つ子」たちがいまひとつ「好き」になれませんでした。

子どもの頃と、高校生の頃と、大人になってからが、「違い過ぎる」気がして違和感があったこともあるかもしれません。

物語の終盤、レベッカの認知症発症にいち早く気付いたのはランダル(スターリング・K・ブラウン)

スマホの置き忘れが2回程続いたことで「もしや?」と疑念を持つのですが、このあたり他人事とは思えませんでした。(スマホの置き忘れなんて、2回どころか、数えきれないくらいあります。)

もちろん、この段階ではまだMCIで、レベッカ自身も自分の変化に気付いており、だからこそ当初は専門機関の受診を渋ります。

ですが、とうとう『現実』を受け入れた後のレベッカの態度は立派で、まだ判断力のあるうちに、と自分の今後についての方針を家族全員に示すのです。

後見人としてまずは夫ミゲル、ミゲルに万一あった時は長女ケイト(クリッシー・メッツ)を指名。

ミゲルの死はあまりにも早いような気がしたのですが、アメリカ人の平均寿命、平均余命からすると普通のことだったのかもしれません。

ミゲル亡き後はケイトに決定権があるはずなのに、レベッカをどうするかで三兄妹はまた険悪に。

けれど、最後は・・・ケヴィン(ジャスティン・ハートリー)もやっと長男の面目躍如、だったでしょうか。

余談ですが、ジャスティン・ハートリーは、《ヤングスーパーマン》グリーンアロー役の時の方がずっとよかったな~~。

ひと月以上前に視聴し終えて、ちょこちょこ感想書きつつも、ほったらかしにしておいたので、いつも以上にまとまりのない、読みづらい文章になっていると思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。<m(__)m>

 

DPE:重大事故捜査班~高速列車編・旅客船編

ちょっと期待外れ

シーズン1の航空機編に続いて、シーズン2,3も「見放題」になったので、飛びついて一気見したのですが・・・

暴走

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  • アーチー・パンジャビ
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ナローズ号の秘密

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期待していたほどではなかったです。

なので、まとめてざっくりと感想を。(シーズン1には気合が入りすぎてしまいました)

まず、3作品とも捜査班の中に「裏切り者」がいるという点が全く同じ。

ただシーズン1では裏切り者が誰か分かりやすかったのに、2,3では「そう見えた人」が実はそうではなく、思いもよらぬ人が・・・という点だけが違っていました。(思いもよらぬ人という点で言えばシーズン1での長官もそれにあたるのでしょうが)

ですが、「そう見えた人」にはそれなりの理由があり、私的にはシーズン1の裏切り者がMI5の女性だったことで、2ではFBIの女性をまず疑いました。ケンドラとも最初は敵対していましたしね。

そしてシーズン2「裏切者」(というより「犯人」)だった保安官が、容疑者を射殺したことから、シーズン3では同じく容疑者の恋人を射殺した刑事を疑いました。

その刑事の「(射殺した男は)高校時代のワル仲間で、自分は足を洗ったが、コイツは・・・」というセリフに引っかかったからです。ホントは足を洗ってなんかいなかったんじゃないの、と。

その後も彼は「上からの命令」と称して、まだはっきりと証拠がない容疑者を「犯人」として強引に逮捕したりもしますし、なんかアヤシイ感が漂い続けます・・・が、実は・・・もっともっと大物が絡んでいて・・・でもそれはよんどころない事情もあって・・・(この辺で止めておきます)

突っ込みどころもシーズン1以上に多く、特に旅客船編、乗客のスマホが解決の一部を担うのですが、あんな緊迫した状況を撮影できるとは思えないし、スマホを肌身離さず持っていたのも不自然。(ほかの場面でも水没したスマホが船内での殺人事件を暴露します)

捜査班は刑事ではないので、身を守るピストルなどは携帯していないのに、命の危険にさらされることも度々。

実際殺されてしまった仲間もいました(突如出てきたように思えるジギーは一体どんなポジションの役柄だったのでしょう?なかなかの戦略家でナイスガイ、レギュラー入りするとばかり思ってましたが)

このジギー含め、キャラクターが魅力的なのはシーズン1同様。

主人公ケンドラはもちろん、レギュラー陣のドムセオも相変わらずいい仕事ぶり。

あ、前回シーズン2で降板と勘違いしていたドムはシーズン3ではケンドラの部下ではなく同等の立場になり、一緒に活躍してくれました。(やはり今後の二人の関係には期待してしまいます。)

シーズン3で新しく加わったアジア系のミシェル(レズビアンらしい)も思わず応援したくなるほど健気でキュート。

ほかにも、高速列車編で、唯一の目撃者だった少年が8歳とは思えぬ大人びた表情、しぐさに魅了されっぱなし。(ケンドラみたいに抱きしめてあげたかった!)

さらに旅客船編でも、亡くなった兄を最後まであきらめず探し続ける妹が、カッコよくて好みでした。(一緒の探す航海士の女性、見覚えがあるのですが、他にどんなドラマに出ていたのでしたっけ?)

にしても、何百人という死者・行方不明者を出した客船の船長と航海士が、(たとえ沈没の原因が彼らのせいではないにしても)遺族らから何の非難も受けず、あの場に居られたのが、まずもって不自然な感じがしました。これは日本人的な感覚なのかもしれませんが。

以上、今回はキャストの名前も調べることはせず、高速列車編旅客船編もごちゃまぜの感想アップとなりましたが、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

EMMA/エマ人工警察官

美形アンドロイド警察官

EMMA/エマ 人工警察官(字幕版)

EMMA/エマ 人工警察官(字幕版)

  • パトリック・リドレモン
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刑事モノ人工知能モノの組み合わさったドラマとくれば、観るしかなかったです、はい。

上記画像では、青い目が光っていて「いかにも」という感じですが、ドラマの中ではもっと人間っぽく、他の刑事たちは、エマのことを「ちょっと変」とは思っても「人間ではない」とまでは思っていません。

警部のフレッドだけは、いち早くその「奇妙さ」に気付いて、上司を問いただし、エマがアンドロイドであることを知りますが、国家機密なので、他言無用を言い渡されます。

フレッドの妻は当初、午前3時にメールを送ってくる美人の部下に、少し疑念を抱いていたようでした。

エマと一緒にショッピングに行った際の、彼女の突拍子もない行動に面喰った妻は、とうとう夫に問いただします。

フレッドは苦し紛れに「(エマは)神経系の疾患があって、自閉症のようなもの・・・治療は不可能」という説明をした後で「秘密だぞ」と釘をさすことも忘れません。

確かにこの釈明は巧妙。「あ~~それでか!」と普通は納得すると思います。まさか人工人間とはだれも思いませんもんね。

(同じフランスの刑事ドラマ《アストリッドとラファエル》の主人公、自閉症の文書係アストリッドを思い出しました)

昨今のAIの進化を見る限り、アンドロイドが人間っぽい会話をするのはかなり現実的になったと思いますが、その外観や動作を人間ソックリに見せることは不可能に近いでしょう。

人間の皮膚や汗、さらに滑らかな身体の動きを再現したりするのは、技術的に困難だと思います。

まぁそこはSFなんだから・・・とスルーすることにしましょう。

ラストシーンでフレッドは「エマには自我や自意識はない」と断言しますが、どうもそれは彼女を庇っての発言のようにもとれます。

アンドロイドに自我自意識が芽生え始めたとしたら、人工警察官として使えなくなる恐れがあるばかりか、抹消されかねないですもんね。

エマが自らを充電期間中に、何者かが部屋に侵入し、スマホのような形態の機器を操作して出ていくシーンもあり、エマを稼働させた内務省の本当の意図は?など気がかりな点が残ったままです。

単発のドラマではなく、続編があるかのようなラストシーンでもあったので・・・と書いたところで、ふと「もしかして逆パターン?」と思いつき、Copilot

「ドラマから映画になったの?」

と質問したら、以下のように答えてくれました。

はい、映画「エマ 人工警察官」はもともとテレビドラマとして制作され、その後映画として再編集されました¹²。ドラマのエピソードをまとめた形で映画化されており、低予算ながらもストーリーの面白さとキャラクターの魅力で評価されています¹²。

予想通りでしたね。

低予算・・・もしかしたらそれで主なキャラクターが数人だけだったのかしら?

殺人課のチームが、警部とエマを含めてたった4人って少なすぎません?

キャラクターと言えば、フレッドの娘ミラが超キュート。かけ算の練習をさせられていたので8歳くらいでしょうか?(フレッドの娘にしては幼すぎの感が否めませんが)

このミラがエマに「エマのママは?」とか「子どもの頃は?」など他愛ない質問をするのですよね。

エマは、母親については正確無比に「何年何月に何々で死亡した」と悲しい表情をすることもなく(それどころか笑みさえ浮かべているように見えた)語るのですが、子どもの頃のことは「知りません」と答えます。

エマは自分が「最初から大人の形で作られた」人工人間であることは自覚(自覚って変ですね、自意識はないのだから)しており、子どもの頃が「なかった」ことも分かっています。

分かっているのですが、そのことに違和感、寂しさや悲しさといったらそれはもう人間の感情になってしまいますが・・・少なくとも自我の芽生えのようなものが発現したかのようなラストでもありました。

ここで、上記4行がなんとなくしっくりこなかったので、Copilotに書き換えをお願いしてみたところ、以下のように書き直してくれました。

エマが自分の存在について理解しているという点は興味深いですね。彼女が「最初から大人の形で作られた」ことや、子どもの頃がなかったことを認識しているのに、そこに違和感や寂しさを感じるというのは、まるで人間の感情のようです。自我の芽生えが見られるラストというのも、彼女の存在に深みを与えていますね。人工知能や人工生命について考えるとき、こうした感情や自我の問題は非常に興味深いテーマです。

この映画の中では「寂しさを感じ(てい)る」とまでは断言はできないのですが、

「人工知能や人工生命について考えるとき、こうした感情や自我の問題は非常に興味深いテーマです。」とはまた無難にまとめてくれましたね。

できればドラマ版の方も観たいなぁ。

続編があればそれも観たいですが、どうやらなさそう・・・

ウォーク・トゥ・リメンバー

マンディ・ムーアにゾッコン

プライムビデオで「もうすぐ見放題終了」につられ、何の気なしに観てみることに。

20年以上も前の映画ですし、高校生のロマンス話なので、特に期待はしていませんでしたが、生真面目でイケてない女子高生ジェイミーの、凛とした可愛らしさにメロメロになってしまいました。

ジェイミー役はマンディ・ムーア。(有名な女優のようですが、私はこの時まで知らず。)

知ったからには、虜になったからには、彼女の他の出演作も観たいな、と検索して、目下、現在進行形で視聴中なのが《THIS IS US~36歳 これから》

何度もおススメには上がってきていたドラマで、タイトルが面白いなと思いはしたものの、『36歳』が主人公の話なら、共感できるところは少ないだろうし、なによりカテゴリーが「コメディ」になっていたので、視聴する気はさらさらなかったのです。

マンディ・ムーアが出演していなければ、観ることはなかったでしょう。)

ところが、どっこい、ハマりにハマってしまいました。

コメディ調の場面もあるけれど、テーマは「家族愛」・「人間愛」、ベトナム戦争PTSD、薬や酒の依存症、黒人差別問題などシリアスでナイーブな問題も扱っています。

セリフ回しも素晴らしく、ぐいぐい引き込まれていきました。

(まだシーズン3までしか観ていないので、全話見終えたら、アップする予定です。)

ウォーク・トゥ・リメンバーから逸れましたね。

相手役の不良少年ランドン、見覚えある顔だな、とこちらも検索したら、ドラマ《ニキータ》ニキータ(マギー・Q)の教官マックス役のシェーン・ウエストだったのですね。

マギー・Qもゾッコンほれ込んでいる女優。どうやら私は男優より女優に惹かれることが多いよう。)

面影はあるし、眼光の鋭さは変わらないけれど、さすがにまだ初々しさもあり、心に傷を負った不良少年という役柄がピッタリ。

ジェイミーの父親である牧師の反対がありながらも、二人は愛を育むのですが・・・

ジェイミーは白血病に侵されていて・・・

ここで、牧師である父親が、二人の交際をやみくもに反対していたわけではないことがわかり、その心情に胸が締め付けられます。

娘は不治の病ランドンはじきに「永遠の別れ」に遭遇するのですから。

それでも若い二人は、父親の教会で式を挙げ、束の間の新婚生活を送り・・・

 

ジェイミーの最期のシーンはなく、淡々としたランドンのモノローグで終わります。

――切なすぎるけれど、爽やかな視聴後感でした。

 

DPE:重大事故捜査班~航空機編

上半期ナンバー1

シーズン1、アマゾンプライムで見放題だったので、6話を一気見。

個人的には、この半年間に観たドラマの中で一番面白かったです。

生存者

生存者

  • アーチー・パンジャビ
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くどいくらい書いていますが、ドラマはストーリーはもちろんですが、登場人物の魅力によるところも大きいですよね。

主人公ケンドラ(アーチ―・パンジャビ)、その義理の息子(亡くなった夫の連れ子)AJ、元警察官のドム(クリス・ホールデン・リード)だけでなく、チームのメンバー(特にセナナディア)もみなそれぞれに個性的で魅力的なキャラクターでした。

重大事故捜査班になぜか迎え入れられていたMI5のジャネットも一癖ありそう・・・。

この後、思うままに感想を書き連ねていきますので、たぶんお喋りが過ぎると思います。ネタバレを好まない方はここで閉じてくださいね。

BGA社の旅客機が256人の乗客・乗員を乗せたまま、大西洋上で消息不明になったことから話が始まり――

捜査班の長官ハワード(クリストファー・プラマー)は、休業中の捜査官ケンドラを呼び戻します。

ケンドラが超優秀な捜査官であったこと、大きな事故に遭って職務から離れていたことが、二人の短い会話の中から読み取れるようになっています。(これだけで引き付けられますよね。ケンドラの過去に何があったのだろう?と)

同型の航空機100機が、中国とサウジアラビアから発注されており、もし機自体のトラブルであれば、英国の航空産業にも大打撃になり、首相からも真相究明を急かされます。

まずは生存者の救助を第一に、同機の墜落現場の座標を割り出し(このあたりの緊迫したスピーディな展開も見もの。セナナディアも大活躍)生存者一名を収容。

この生存者は25歳の医学研修生マリオンで、搭乗便を直前に変更していました。

ケンドラは、このマリオンが墜落に関わっているのではと疑い、さらに婚約者のアリに逮捕歴(のちに誤認逮捕と判明)があったことからアリも容疑者扱いに。

マリオンの父(母はすでに他界)は二人の婚約を快く思っておらず、当初アリとの関係はギクシャクしています。

ですが、献身的なアリの姿を見て「あいつはいいやつだ」と二人の関係を認めた矢先・・・マリオンを守って殺されることに・・・。

刺客は、マリオンの口封じの為に病室を訪れたのです。

このことに気付いたケンドラドムは、マリオンを容疑者ではなく、唯一の目撃者として、本格的な協力を依頼。

マリオンも「脳は記憶しているはず」と必死で機内の様子を思い出そうとします。

これらと並行して、ケンドラのよき理解者であり、真相究明に真摯な態度で臨んでいるかに見えたハワードの挙動不審も垣間見え始め――

早い段階でチームの中に「裏切者がいる」ことは分かり、またそれが誰なのかも、視聴者には分かりますが、もちろんケンドラ達が知るのは少しあと。

バレた後「お別れね、ハワード」と言いながら、ワケあり気な目を向けたジャネットに、ハワードは「ありがたい」と、さも裏切り者を追っ払って清々したような口調で応じますが、この段階ではっきりとハワードもグルなんだろうと気づきます。

事故の黒幕はバルトークだと信じて疑わないAJの言動にもハラハラさせられどおし。(ケンドラの気持ちになって見守る母気分)

このAJのおかげで、BGA社CEOのモローとジャネット、ハワードの共謀を知ることになるケンドラーー

ハワードまでもが、とショックを受けるもすぐさま立ち直り、確実に信頼できるドム、セナ、ナディアだけを伴い、独自の調査を開始します。

この時点ではどちら側なのか判然としていないリーヴァイは仲間に加えないのですが、クライマックスでは、モローをうまく誘き出し、真相究明に一役買ってくれます。(ナイスチームワーク!)

ハラハラ、ドキドキ、スリリングで超面白かった、とはいえ、突っ込みどころももちろんありました。

墜落の事故原因について、航空機自体に欠陥があったのでは困るというので、画策するわけですが、まずは機長の自殺説

機長はバイセクシュアル、ロンドンに妻、ダブリンに夫がおり、そのことで出発直前に妻と電話で口論。

口論の内容について、当初妻は言葉を濁すのですが、自責の念に堪えられなくなったのか、「告白」に来ます。

逆上して「死ねばいい」「もう帰ってこないで」、そう浴びせたら

「お望みどおりに」と応じた、と。

ですが、これを正直に告げるでしょうか? 

「自殺」なら保険金が受け取れなくなるというだけでなく、二百数十人を道連れにした機長の家族、というそしりを生涯受け続けるのですよ。

私がこの妻なら、どんなに苦しくても、娘の為に絶対に口をつぐみます。

それから、機長が貸倉庫にフライトシュミレーターを隠していたことが「発覚」し、これで機長の自殺説は「確定」したも同然になるのですが・・・

BGA社の社長が絡んでいるのですから、フライトシュミレーターを準備するのは容易だとしても、「貸倉庫をいつから借りていた」(ことにした)のでしょう?

倉庫の鍵を「発見」した(仕込んだ)のはジャネットですが、「いつ」倉庫を借り、「いつ」フライトシュミレーターを入れ、「いつから」墜落の予行演習をしていたのか、のウラを取らないのは、おかしいですよね。

それに飛行直前の口論が原因なら、前もって予行演習するのもおかしな話。

とはいえ「二重生活」に疲れ果て精神的に限界だったとも仄めかされていましたから、それほどまで不自然な設定とはいえないかもしれませんが。

さらに乗客が撮った機内の様子からも機長自殺説は説得力を増すのですが、あの動画は乗客が家族あてに送ったものなのでしょうね。

結局、機長自殺説は否定され、次はイラン人のテロリスト説がでっちあげられます。

そもそも、なぜジャネット「でっちあげ」に必死なのか?

それにフライトシュミレーターの証拠を捏造したのはジャネットであることは明白なのに(その「証拠」がない為か?)、ジャネットは事故捜査班から外されただけで、暗躍はまだまだ続きます。

機自体の欠陥であっては困るのはBGA社の社長・モロー(と製造元のウインザー社ですが、なぜかウインザー社は絡んでいない)ですから、モローと繋がっているのは明らかで、(愛人ではなさそうですから)「お金」の為なのでしょうが、殺人も厭わないのは行き過ぎ・・・まるでサイコパスみたいな女。

突っ込みどころはこの辺にして、先に進みましょうね。

テロリスト説も否定され、元BGA社の社員であったホフマンが浮上。

ホフマンは、機の脆弱性をモローに進言していたのに、聞き入れられなかったのです。

細部まで思い出したマリオンの証言や、ホフマンの元同僚の話からホフマン犯人説は決定的となります。

ただし、彼には墜落の意図はなく、ちょっとしたトラブルを起こしてモローに猛省を促すだけのつもりだったよう・・・なのになぜかコンピュータが制御不能になり墜落に至ります。(この「なぜか」が最後の最後に判明。)

機長やテロリストと思われていた人物は「最後まで機と乗客・乗員を守ろうとしていた」と名誉を回復、お互いの存在を知った機長の妻と夫とその子供たちは今後どうなるんだろう?と野暮な詮索をしつつも、一件落着にホッとしたのですが・・・

問題解決、のわりにまだ時間が残っているなぁ・・・と思っていたら・・・

最後の最後に大どんでん返し

悪の権化と目される宿敵バルトーク「強い味方」になってくれ、「いいとこあるじゃん!」とスカッとしたのに、それはそれはものの見事に覆されました

バルトークに、ケンドラ達と視聴者である私達も、騙されたわけですが、これはもう製作者の術にまんまと引っかかったとも言えるわけで・・・(完敗!)

やっぱりバルトークは冷酷非情の極悪人でした。ケンドラは最後にそのことに気付きますが、なす術はなく・・・彼がシーズン2,3にも絡んでくるのでしょうか?

気になるところだけれど、見放題ではないので、どうしようか迷い中です。

ところで、ケンドラドム、チームの絆を越えてなんとなくお互い惹かれあっているように見えたのですが・・・ドムはシーズン2までで降板するようですから、二人のロマンスはなさそうですね。

《あらすじ、感想、ネタバレごった煮》の長文を最後までお読みくださり、ありがとうございました。<m(__)m>

なお、1.5倍速で一気に視聴したので、読み違い、思い違いもあると思います。ご容赦を。

ウィッチャーの事件簿

100年前と思いきや

時代設定は、1860年代なので160年以上前のお話、なんですよね。

なのに、一瞬「100年前」と思ったのは、子どもの頃の感覚のままだから、なのでしょう。

たとえば「『大政奉還』が『1867年』の出来事」と習った時、「私が生まれる100年前はまだ江戸時代だったの?!」という、あの感覚。

もはや還暦を過ぎているのですから、その分60数年を足さないといけないのに、ですね。

と、ドラマの内容とは全然無関係の話でしたが、つまりはこの当時のイギリスは、日本で言えば江戸時代末期、ということ。

第3話 名家の秘密

第3話 名家の秘密

  • ピーター・カパルディ
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評価は3.5となっていましたが、まぁそんなものかな、と思います。

キャラクターは魅力的ではあるものの、ストーリーはそれほど面白いとは思わなかったので。

第1話は事実に基づいているそうですが、どこまでが史実でどこからが脚色なのかは不明。

優秀な刑事ウィッチャー(ピーター・カパルディ)は、明晰な頭脳で犯人を突き止め、逮捕に至ります。

ところが、裁判で被告は無罪に。

数年後、犯人は教会で告解、つまり自白し、ウィッチャーが正しかったことが証明されますが、その時にはもう彼は刑事を辞していて・・・(辞職したのかクビになったのか・・・見落としました。m(__)m)

第2話以降は刑事ではなく「私立探偵」として活動します。

探偵が、刑事のように捜査する権利はないと思われますが、そこのところどの辺りまで認められているのでしょう。

160年前、私立探偵という職業が成り立っていたのか?(それで糊口をしのげたのか)

キャラクターが魅力的と書きましたが、あくまで私にとって、です。

どこか陰のある英国紳士。早い段階で、ウィッチャーが「幼い息子をなくした」らしいことは示されますが、息子が亡くなった理由は、最終話まで明かされません。

実は息子だけでなく、妻も同時になくしていました。

おそらくは産後鬱のような状態であったろう妻が、息子を道連れに列車に飛び込むという壮絶な最期。

当時仕事が忙しく、家庭を顧みていなかったことを悔やむウィッチャー。良く立ち直って刑事を続けられたものだな、と思います。

にしても、ストーリーはどれもわかりづらく、見終わってもスッキリしませんでした。消化不良感が否めない・・・(私だけ?)

最終話、大家にあたる未亡人とイイ感じになったのは、良かったなと思います。(辛い過去は過去として、これから二人で幸せになってね、と)

これだけで0.5ポイントくらいはあがったんじゃないかな。

 

赤毛探偵ルビー

またまた素人探偵もの

プライムビデオから素人探偵シリーズがお勧めに上がってきました。

司書や考古学者など推理好きの素人探偵ものを見ていたからでしょう。

沈黙の証人

沈黙の証人

  • テイラー・コール
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まずはタイトルにわざわざ「赤毛」とついているのがベタな感じがしました。

赤毛と言えば「赤毛のアン」くらいしか知らず、「赤毛」をウリにすることもあるんだ・・・と。

でも両親のいずれも赤毛じゃないのに、赤毛なのは遺伝的にありえないのでは?

髪の分け目から自毛の色がのぞいていましたから、染めているのは間違いないのでしょうが、染めてまで赤毛にする必要が? ルビーという名前だから、に拘った?

ところで父親、元切れ者の事件記者という設定ですが、ルビー姉妹の父親の年齢には見えませんでした。

1話目でルビーの妹が結婚するので「花嫁の父」としてバージンロードをともに歩くのですが、う~ん、どう見ても若すぎるんじゃ?

それに元事件記者という感じもあんまりしない・・・(現役で働いていそう)

そのせいではないと思いますが、2話目から父親役が代わっていて、こちらはもうドンピシャリ。

ちゃんとルビーの父親に見えますし、包容力もあり、いかにも元事件記者らしくルビーに適切なアドバイスを授け、事件を解決に導きます。

相手役の刑事ジェイクは、好みの問題もあるでしょうが、少なくとも「イケメン」には見えませんでしたし、可もなく不可もなくといったところ。お菓子作りが趣味という、意外性は面白い設定でしょうね。

まぁ、普通に楽しめたドラマではありました。評価が4と言うのも、納得かな。

素人探偵シリーズでは、リフォーム探偵シャノンに次いで面白かったです。

参考までに、過去記事貼り付けておきますね。

kaigaidorama.hateblo.jp