老人ホーム潜入?!
チリの映画。
老人ホームが舞台であることと、スペイン語が聴けるという理由で観てみました。
面白かったです!
ホーム内での盗難を職員の仕業ではと疑った家族が、内部事情を知りたいと探偵に依頼し、その探偵の面接を受け、潜入捜査員として選ばれたのが83歳の老人。
ですが、当初は職務より自身の好奇心の方が勝っていたようで、ホーム内のあちこちを見て回ったり、老女たちの話し相手になったりして、報告も職務内容とは無関係なことばかり。
そのうち、とうとうある老女が、他人の物を持ち帰る現場に遭遇。
彼女の居室を探ってみたらば、タンスの中から他人の名前が書かれた物が色々出てきて、ホーム内での盗難の数々は、彼女の仕業だと判明します。
他人の物を平然と持ち帰るのは、認知症あるあるで、当人にとっては「自分の物」ですから罪悪感などあろうはずもないことは、介護士であれば誰でも知っていること(のはずですね)
ホームの中もリアルで、入居者や介護士の多くはホンモノじゃないかしら?と思えるほど。
少なくともプロの俳優さんはメインキャストのみで、あとはエキストラじゃないかなぁ?
ポッチャリ系の介護士が目立つのもそれっぽかった。
入居者の一人が、知っている方にソックリで、そうか、南米にもモンゴロイドは少なくないのだ、と思いました。
ーと、ここまで書いて、ふと、セルヒオ・チャミーってチリで有名な俳優なんだろうか?
ほかの出演作品は?
と検索したらば!
なぁんと、ホンモノの老人ホームで撮影されたそうで、セルヒオさんは素人!
ホームの許可を得て撮影したそうですが、内部調査(つまりセルビオさんはスパイ)だとは明かさずに、本当に3ヶ月入居者として暮らしたのだとか。
つまりはドキュメンタリーだったわけ?!
ビックリです。
ってことは「80歳~90歳の老人」も実際の募集で、応募者も本物だったわけですね。
てっきりフィクションだとばかり。
確かに、冒頭で記したように、やけにリアルではありましたが・・・
じゃ、あの「ママ早く迎えに来て」と言っていたおばあちゃんもホンモノだったのですね?
これも、あるある、ではあります。
「お母ちゃんが来るはずだけど」とか「母が心配だから帰ります」とか、ね。
逆に、50,60になった子どものことを、いつまでも小学生くらいに思っていて「子供が学校から帰ってくるから早く帰らないと!」と自分のことを入居者ではなく、職員だと思い込んでいる方も少なからずいたりして・・・
ところで、スペイン語もところどころは、聴き取れて(もちろん字幕見ながらですが)なんだか認知症と語学と両方いっぺんに学びなおせたようで、一粒で二度おいしい映画でした。