40代のアン・ハサウェイ
2024年5月2日封切りの映画が、アマゾンプライム見放題に上がってきたので、これは見ておくべきかなと視聴。
アン・ハサウェイといえば「プラダを着た悪魔」のイメージが強すぎて(というか、他の映画はあまり見てないんです)今でも20代のような気がしていましたが、プラダ~は1999年、25年も前の映画でした。
当時見たわけではなく、メリルストリープファンの友人がCD-ROM(!!)に焼いてくれたものを、10年位前に見たんじゃなかったかな。
それまで映画を見たことがあまりなかったので、プラダ~で初めてアン・ハサウェイを知ったのですが、「可愛くて知的には見えるけれど、(評判のような)正統派美人って言えるのかなぁ?ちょっと垂れ目で口が大きい女優なのに」というのが第一印象でした。
で、一流大を卒業したばかりという設定でしたから22歳役だったのでしょうが、当時の彼女はまだ10代?
さて、今回の映画は、40歳のシングルマザー・ソレーヌ(アン・ハサウェイ)と、世界的人気を誇るボーイズグループのリードボーカル、24歳のヘイズ・キャンベル(ニコラス・ガリツィン)の、ひょんな出会いからはじまる大人のロマンス。
「大人の愛が叶うまで」という副題がついていることからもわかるように、最終的にはこの恋、成就するんですよね。16歳もの年の差を越えて。(とはいえ、男女が逆ならそれ程珍しいことでもないのに)
アン・ハサウェイはほぼ実年齢を演じていますが、ニコラス・ガリツィンは5歳位若い役、原作がそうだったとしても、実年齢にしておけば、年の差も10歳位ですんで、もう少し現実的だったろうになぁ。
10歳年上でもファンの女の子にしてみれば「十分にオバサン」なのだから、なにも16歳も離れさせなくても・・・と思いましたが、
ラストシーンを見て納得。
5年後、ソレーヌはテレビでヘイズが歌っているのを見ていたのですが、どこかあどけない感じの青年だったヘイズがぐっと渋い大人の男性になっていたのです。(ここで実年齢←でもまぁ、実年齢より5歳程上の30半ばに見えないでもなかった)
しかも、番組の中で、万人に向けて歌っている体をなしながら、実はソレーヌ一人だけに向けた歌詞なんですよね。曲もとってもいい。
Go Rogue という曲名で、YouTubeにありましたから貼り付けさせて頂きますね。
このあと、ソレーヌの画廊で二人は再会。メデタシ、メデタシ。
(この時の二人、特にアンの表情がとっても良かった♡ホンモノの涙だったと思う)
ここではじめて、タイトルが「アイデア・オブ・ユー」(The idea of You)だったことに改めて気付かされました。(なんて心憎いタイトル!)
そう、二人はいったん別れたのです。
それが永遠の別れになるかもしれないし(ならないことは副題からわかってはいますが)ならないかもしれない・・・
別れの間際、ヘイズがソレーヌを抱きしめながら「5年後に考え直して」と告げるシーン。
「その頃にはイジー(ソレーヌの一人娘)は高校を卒業して、独り立ちしているし、僕は過去の人間になっていて、誰にも注目されない(だから堂々と『二人』になれる)」
それに対してソレーヌは「5年は長いわ、それまでにいい人がいたらつかまえて。私もそうする」と答えるのですが・・・
そんなにも長い間、二人とも互いを思い続け、晴れて『二人』に戻るのです。
ヘイズ役のニコラスガリツィンは、このブログでも取り上げた「赤と白とロイヤルブルー」では英国王子役でしたね。
余談ですが、娘イジー(エラ・ルービン)が16歳にしては老けすぎ!と思ったのも納得。5年後大学生になった場面(パソコンのモニター越しでしたが)が出てくるからなのですね。
それからここは突っ込みどころでもあるのですが、イジーの父であり、ソレーヌの元夫ダニエルのあまりにもいけすかない男ぶり(再婚相手の元部下エヴァに言わせれば「とんでもない食わせ物」)に、「どうしてこんな男と結婚したの?」とまず疑問。
若気の至りで妊娠・結婚まではわかるけど、離婚したのが僅か3年前?
それも偶然部下との不倫がバレた夫の方から離婚を切り出されたからだなんて、立派に画廊経営までしているキャリアウーマン(っぽくなかったけど)なのに、それはないでしょ、不倫云々はヌキにしても、こんな男との結婚生活は、いくら娘の為でもできそうにないけどなぁ。
ところで、この不倫相手のエヴァ(ペリー・マットフェルド)、どこかで見た顔だと思ったら「イン・ザ・ダーク」の主役だったんですね、シーズン1の途中までしか見ていなかったから、検索するまで気づきませんでした。まだ30歳だそうだけど、もう少し上に見えました。
最後に、友人サラが描いたという絵が素晴らしかったです。画廊経営の単なる小道具ではなく、重要な意味を持っていたのですよね。
(ちょっとだけ、奥山民枝先生の絵に似ている感じもして、いいなぁ、素敵だなぁ、さらには欲しいなぁ~とまで思ったことでした。一体、どなたの作品なのでしょう?)
絵のタイトルは『私を開いて』ーこれはもうそのままソレーヌの心象風景でもあるのでしょう。
挿入歌といい、この絵といい、演出が小粋で心憎く、見終わった後、ほわ~~っと幸せな気分に浸れました。(映画館で見たら、もっと感動するのかも)