ケイト・ウィンスレット
あのタイタニックで絶世の美貌を見せつけたケイト・ウインスレットが刑事役のドラマですから、とびつきました、全7話を2晩で一気見。
ケイトは、一部のシーン以外、ほぼスッピンだったのじゃないかしら?
アップになるとシワもシミもたるみも目立つけれど、整った目鼻立ちは化粧なんて必要ないない。
イーストタウンで起きた少女惨殺事件、
その担当刑事がケイト扮するメア。
はじめはちょっといけすかない女でしたが、その屈折した性格がなぜなのか、回を重ねるごとに明らかになっていきます。
発達障害があり、長じて薬物依存症にもなった息子の縊死、その息子の遺児(メアにとっては孫)の親権をめぐる争い。
その孫のチックを見て、幼い頃の息子と重ね、孫の将来を心配するメアと元夫。
(余談ですが、自閉症児には睫毛が長く目がパッチリした、いわゆる可愛らしい子が多いと何かで読んだような記憶があるのですが、この孫はそのイメージにピッタリの子でした)
そして温厚なその元夫すら、容疑者のひとりとなってDNA検査を受けさせられる。
息子の自殺の第一発見者となった娘は、レズビアン(この設定は必要だったんだろうか?)しっかり者だけれど、家族の為に自分を犠牲にしているところあり。
捜査の相棒となった郡刑事コリン(エヴァン・ピーターズ)はメアに仄かな想いを寄せるようになり、休職させられていたメアと、少女失踪事件の容疑者宅に向かい、そこで凶弾に倒れてしまいます。
ここまでストーリーを悲壮にする必要、あったのかな?
私がメアならいくらなんでももう立ち直れない、息子の自殺以上に自分の責任だと思うから。
というより、息子の自殺はメアの責任ではないけれど、刑事の殉職は明らかに彼女のせいでしょう。
休職中で銃も所持していなかった彼女が容疑者宅へ踏み込むのは無謀なことだし、それ以前にその資格もなかったはず。そのせいで相棒は命を落としたのですから。
コリンの母にお悔やみを言いに行く勇気なんて、私なら絶対にないなぁ。(彼の母にひっぱたかれたのは当然ですね)
第一話目に出てくる老夫婦、そして使いこなせていない防犯カメラ、これは見事な伏線だったのですが・・・
突っ込みを入れると、
少女を殺した銃が、《コルト・ディテクティブ》という警官用の銃(それも古いもの)であることがはやくから判明していたのですから、その銃の所有者の割り出しは、容易だったと思うのですけどね~。
最終話で、元警官だった老人の奇妙な訴え(納屋に置いていた銃がいったんなくなったのに、元に戻されていた、だが弾は2発なくなっている)を聞くまでわからないというのは変!
それに老人とはいえ元警官、銃が紛失していることに気付いた時点で、届を出すのが普通だろうし、「銃は戻ったが、弾が2発なくなっている」のですから、少女銃殺事件との関連を疑うでしょう。
老人の銃がコルト・ディテクティブと聞き、保管場所に入ることのできた人物の名前を聞いたメアは顔色を変えて、防犯ビデオの映像をチェックしに走ります。
真の殺人犯は・・・
それにしても、
集った仲間(25年前のバスケットボール部部員5人)のうち、刑事であるメア以外の3人までもが、町で起こった様々な事件の関係者というのは、いくら狭い町、濃密な人間関係といえど、無理があり過ぎるのでは・・・?
それに、殺された少女の息子の治療費1800ドル、母親である少女が売春で稼がなくても、本当の父親なら工面できないこともないでしょう。
本当の父親が誰かはずっと後で判明し、元BFのこどもということで話は進みますが(メアはじめ町の人たちはもちろん、視聴者もそう思っている)不良っぽい元BFと違い、その両親は良さげな人たちでしたから、孫だと信じ込んでいる赤ん坊の治療費は喜んで払いそうなもの。
要所、要所で胸打つ説教をしていた教会の助祭も、以前、性的な事件で教区を追われていたことがわかり、容疑者のひとりに。
迷宮入りに見えた1年前の少女失踪事件は、今回の少女銃殺遺棄事件の捜査過程で解決。
少女は無事母親のもとへ帰ってきますが、監禁していた犯人はメアに射殺されてしまいましたから、コトの真相はわからずじまい。(もっともメインテーマではないからですが)
その少女を、警察を糾弾しつつ必死で探していた母は、メアの元バスケ仲間であり、ガンを煩いながらも、薬物依存症だった少女の娘、つまりは孫を育てているという設定ですが、そこまで盛る必要あったのかしら?
同じように孫を育てているメアとの対比?
ともかくも、盛り過ぎ、余計なエピソードが多すぎるように感じました。
視聴者も「攪乱」したかったのでしょうけど。
1.2~1.8倍速で一気見したので、丁寧に筋を追って見てはいませんが、やはり「詰め込み過ぎ」の印象が拭えません。
メアの息子は、自閉症やADHD、トゥレット症候群まで疑われ、薬物依存症になった挙句、自宅で縊死したという設定ですが、このドラマの作者自身もADHD気味なのでは?
緻密なようでいて、心理描写は大雑把。
メアの苦悩や葛藤はうまく表現されているし、カウンセリングを受けていくうち、少しずつ内面が変化するが様子は丁寧に描かれているのに、
少女をあんな無残な姿で遺棄した人間(サイコキラーではない普通の人)が、その後も(少なくとも一見は)普通に生活しているのは絶対にありえない。
真犯人を庇い、家族を守る為に、捜査の攪乱を謀ったとはいえ「他人ではない」少女を遺棄して、です。
苦悩する様子を描けば、遺棄した犯人だとバレてしまうから「普通」に描くほかなかったのかもしれませんが。
ーと、これを書いている私もADHD気味ですね。話があちこちに飛びますもん。
メアの親友ロリ役のジュリアンヌ・ニコルソンもソバカスをメイクで隠しもせず、夫やこどものことで悩む中年の主婦を熱演。
ロリの息子ライアンは13歳、ナイーブで憂いのある美少年(それにしてもアメリカのティーンエイジャーってローティーンの時は子どもなのに、ミドルティーンになると急に大人っぽくなるのはなぜ?)
ロリの娘、モイラはダウン症。(本当にダウン症の子役を配しているようです)
モイラが学校で苛められ、苛めた相手を兄のライアンが殴ったことで、母ロリは学校に呼び出されます。
これは重要な布石。ですが苛められる理由がダウン症だからというのは安易な設定だと思います。(ロリは高齢出産にあたるでしょうから不自然な設定ではなかったにしろ)
この一件から、物語は思わぬ方向に進んでいき、新たな様相を呈します。
ここで、まてよ、です。ライアンは13歳、多感な年頃、ではありますが・・・
5年前(父が《1回目》の浮気をした時)はまだ8歳です。両親が一時的に別居し、家族が崩壊しかけたとはいえ、8歳の男の子にどこまでわかるでしょう。ちょっと無理があるのでは?
色々と突っ込みどころはありますが、俳優陣の演技は圧巻で《面白く》視聴することはできました。
作家で大学教授のリチャード(ガイ・ピアーズ)とのラブ・アフェアはこのドラマの中では清涼剤的でしたね。唐突感は否めませんでしたけれど。
感想をこんなにホヤホヤでアップするのははじめて。
あとで読み返したら「違うじゃん!」って思うかもしれません。
が!
アップしちゃいましょうね。