ちのっぷすの海外ドラマ雑記帳

ちのっぷすが観てきた海外ドラマについて想うことあれこれ

ザリガニの鳴くところ

不思議なタイトルに惹かれて

ちょっと変わった邦題(原題直訳)と、予告編に惹かれて、本編も視聴。

ザリガニの鳴くところ (字幕版)

ザリガニの鳴くところ (字幕版)

  • デイジー・エドガー=ジョーンズ
Amazon

ネタバレになってしまいますが・・・

最後の数分で、思いもよらぬどんでん返しがあります。

とはいえ「結局、事故?殺人じゃなかったの?」と私の中ではくすぶっていたので、ストンと腑に落ちた感はありました。

おそらく、この結末を知った多くの人が、もう一度冒頭のシーンを観直すのでは・・・?

結末を知ったうえで観直すと、湿地のことを語っているだけのようなモノローグが、実は見事な伏線になっていることに気付くと思います。

沼は死を熟知している

死を悲劇にしないしー罪にもしない

この映画、「湿地の娘」と蔑まれる主人公はもちろんですが、原作、監督、演出、脚本すべて女性です。

原作を、原文で読んでみたい衝動に駆られているのですが、どうせ挫折することは目に見えているので、オーディオブックがあればそちらに挑戦してみようかな。

寝しなに流しっぱなしにしておけばいいんだし・・・

――と思い立ち、アマゾンで検索したところ、プライム会員ならオーディブルの無料体験が3ヶ月!! とはいえ、解約するのを忘れそうだし・・・

とりあえず、試聴版の5分を聞いてみましたが、米語ではなく英語のナレーターのせいか、ちょっと堅苦しい感じで、耳馴染みはあまりよくありませんでした。

映画からは逸れましたね。

主人公の デイジー・エドガー=ジョーンズ、この作品で初めて知った女優さんですが、この役は彼女をおいてほかにない(そんなに多くの女優を知っているわけでもないのに)と思えるほどのハマリ役だと思いました。

ミステリアスで知的な雰囲気。まだ25歳だそうですから、これからが楽しみな女優さん。英国人なのに、米語、それも南部訛りをマスターしたというのも凄い。

相手役の二人の男性も、それぞれにいい味出していました。

初恋の相手であり、最終的には生涯の伴侶となるテイトテイラー・ジョン・スミス

この彼が「独立記念日に帰る」「浜辺で一緒に花火を見よう」という約束を違えさえしなければ、その後チェイスとの恋愛擬きもなかっただろうし、事件に結び付くこともなかった(それじゃあミステリーにならないか)

そのチェイスハリス・ディキンソン)、金持ちのプレイボーイではあるけれど、カイアに対する気持ちだけはホンモノで(だからこそ「俺の女」みたいな傲慢な態度、挙句はカイアの父が母を殴ったような暴力にも発展するのだけれど)「殺されるほどの大罪」を犯したとまでは思えない・・・ちょっと哀れな役柄ではありました。

ほかにも、突っ込みどころはいくつか。

まず、いくらなんでも6歳の少女が、湿地でひとりで生き抜くのは無理だろう・・・親切な雑貨屋夫婦が支えてくれたとはいえ・・・

それに父親のDVから逃れた母、その時すでに心を病んでいたのではあろうけど、幼いカイアを置いていくのもあまりに不自然。

長じて家を出る兄や姉らも誰一人、彼女を連れて行かない・・・

父親は二人っきりになった後、一時は優しくなるけれど、妻からの手紙を読んだあと激昂し、手紙ばかりか妻の衣類・持ち物全てを燃やしてしまう・・・挙句、父もカイアを一人残して出て行く・・・

そんな境遇なのに、年頃になったカイアの着ている服は見すぼらしいどころか、こざっぱりしていて可愛らしい。

彼女の書いた本が売れて、そこそこのお金が入った後ならともかく、それ以前からですから、買うにしろ、自分で縫ったにせよ、どこでそんな服や生地を?

学校にも通わず、当然読み書きもできなかったカイアが10代も後半になってからテイトにアルファベットを習うことから始まって、図書館の本を読破し、湿地の生物の挿絵や説明文など、のちに本として出版されるほどの才能を開花させる・・・

チェイス殺しを、保安官らは、たまたまバーで聞いた噂話からカイアを疑い、令状もなしに彼女の家を捜査し、そのまま逮捕に至ったり、

彼女の弁護人を引き受ける、引退していたはずの弁護士も、それまではまるで彼女の存在に無頓着であったのに、同じくバーでの噂話から突然彼女の身の上を案じたり、ちょっと安直。

まぁ、こんな難癖つけていたら、映画なんてできっこないので、黙ってその映像美に身を委ねる方がいいですね。

そんなこんなを差し引いても、観て良かったと思える映画でした。

余談ですが、カイアの小さい頃を演じた女の子、ご近所さんの子どもの頃にソックリで、親近感覚えつつ観ていました。

ただ、この子が長じてあのカイアになるとはちょっと思えないかなぁ。内面的にも外面的にも。(テイトについても同じくそう感じました)

久し振りのアップなのに、支離滅裂ですみませんm(__)m。